カップルの生活費:計算のしかた、分け方、お金でケンカしないコツ
ふたり暮らしに実際いくらかかるのか、共通の予算の立て方、公平な分担方法の選び方、月末の請求で慌てないためのポイントをまとめました。
一緒に暮らしはじめると、はっきりわかる瞬間があります。新しい生活へのわくわくが、ずっとロマンチックではない現実にぶつかる瞬間です。請求は毎月やってきて、誰かがそれを払わなければなりません。
たいていの場合、問題はお金が足りないことではありません。何にいくらかかっているのか、誰が何を負担するのか、その分け方がふたりにとって公平なのかが、はっきりしていないことです。
ブラジルの Serasa が2026年初めに6,000人以上のブラジル人を対象に行った調査では、住居、食費、交通、医療、教育、レジャー、毎月の請求を含めた1人あたりの平均生活費は、月 BRL 3,520(ブラジルレアル)でした。ふたりで支出をまとめる場合、この数字が単純に2倍になるわけではありません。多くの費用は分担でき、1人あたりでは安くなります。ただ、それまでなかった費用も生まれ、一緒に暮らす前に計算していなかったカップルは、最終的な合計に驚くことがよくあります。
この記事では、ふたり暮らしに実際いくらかかるのか、そしてその金額をふたりが公平だと感じられる形でどう整理するかを解説します。
データの範囲:ここで引用している Serasa の調査は、2025年12月から2026年1月にかけて、インターネットを利用する6,063人のブラジル人を対象に行われたものです。BRL(ブラジルレアル)の金額はそのサンプルを表したもので、ふたりの実際の明細の代わりにはならず、日本など別の国の基準にもなりません。記事中の円の金額は計算例であり、平均値ではありません。
予算を日々の習慣にするには、カップルの公平な分担の計算ツールで出発点となる割合を出し、TakeControl で日々の支出を均等、割合、金額指定で分けていきましょう。
カップルの生活費の内訳
計算を始める前に、どの支出項目を合計に入れるべきかを知っておきましょう。支出の傾向はカップルごとに違いますが、構成はほとんどのカップルで似ています。
住居費
どの家計でも最も大きな項目です。Serasa によると、ブラジルでの家賃、管理費、住宅ローンの平均支出は、1人あたり月 BRL 1,100 でした。ふたりで住めばこの費用を分担できますが、ふたりがゆったり暮らせる部屋を探すと、住居費の総額は上がりがちです。
よく使われる目安は、住居費をふたりの合計収入の30%前後に抑えることですが、住む街や借金、交通費、目標によって無理のない金額は変わります。たとえば世帯の手取りが50万円なら、家賃と管理費の上限の目安は15万円です。
家賃以外にも、この項目に入れておきたい見落としがちな費用があります。固定資産税、火災保険、ちょっとした修理、少しずつ買い足す家具などです。月末に合計すると、思った以上の金額になります。
食費
Serasa の調査によると、ブラジルでの食料品の平均支出は1人あたり月 BRL 930 です。カップルの場合、これも単純に2倍にはなりません。まとめ買いをすれば1個あたりは安くなり、ふたりで計画すれば食品ロスも減りやすくなります。
ただし、食料品は食費の一部にすぎません。デリバリーや外食も計算に入れる必要があります。そして、ここで驚くカップルが多いのです。ふだんは便利に感じるフードデリバリーアプリも、よく使うカップルなら月に1万円を超えることも珍しくありません。
実践のコツ:過去2か月に食料品とデリバリーに使った金額を合計し、2で割ってみましょう。実際の数字は、たいていふたりがそれぞれ思っていた金額とは違います。
毎月の請求
水道、電気、ガス、ネット、スマホ、動画配信サービス。Serasa によると、ブラジルでのこの項目の平均は月 BRL 520 です。カップルの場合、たいていスマホ代は個人で払いますが、それ以外のほとんどの請求は均等に分担します。
エアコンを使う家では電気代に注意しましょう。月ごとの差が大きくなることがあるため、いちばん安い月を基準にするより、月平均を使うほうが現実的です。
交通費
Serasa によると、ブラジルでの交通費の平均は1人あたり月 BRL 350 です。カップルにとっての大きな変数は、車を持っているかどうか、持っているなら何台かです。
都市部で車を維持するには、ガソリン代、保険、自動車税、整備費、場合によっては駐車場代がかかります。1台でも総額が月に数万円になることは珍しくありません。電車やバス、タクシーを中心に使うカップルならずっと安く済むこともありますが、それも現実的な金額で予算に入れる必要があります。
医療費
医療保険、診察、検査、薬。Serasa によると、ブラジルの平均は1人あたり BRL 540 です。ブラジルでは、会社員の多くが勤務先を通じて民間の医療保険に入っています。日本では公的医療保険がありますが、窓口での自己負担、歯科、薬代、加入している場合は民間の医療保険の保険料なども、予算に入れておきましょう。
レジャーと変動費
映画、飲み会、小旅行、サブスク、ジム、趣味。ブラジルでのレジャーの平均支出は月 BRL 340 です。ただし、これはカップルによって最も差が出る数字で、いちばん大きな「想定外」が見つかりやすいところでもあります。
毎週金曜日に外食し、月に一度ライブやイベントに行くなら、この数字は簡単に3倍になります。自分たちが使っていると思っている金額ではなく、実際の履歴を見ましょう。
カップルの生活費の実際の計算方法
項目がはっきりすれば、計算はシンプルです。ただし、ふたりとも正直であることが必要です。
ステップ1:少なくとも直近3か月分の実際の支出を出す
使っていると思っている金額ではなく、明細に出ている金額です。項目ごとに合計しましょう。自動車税や保険料など年単位の費用は、月平均に直して加えます。
ステップ2:共通の費用と個人の費用を分ける
家賃、光熱費などの生活費、食料品、ふたりで使う動画配信サービスは、共通の生活費に入れます。服、身だしなみ、個人のジム、習い事、個人のサブスクは、それぞれ個人のものです。
ステップ3:共通の支出を合計する
それがふたりの生活費、つまり毎月ふたりで一緒にまかなう必要がある金額です。
ステップ4:それぞれがどう負担するか決める
ここで分担方法が関わってきます。詳しくは次の章で説明します。
ステップ5:まだ表に出ていない費用を入れる
年に一度の自動車税、車の保険、誕生日プレゼント、保険が効かない診察、半年後に予定している旅行。年単位や季節ごとの支出は、来たときに慌てるのではなく、毎月の予算に振り分けておきましょう。
公平な分け方:うまくいく分担方法
どのカップルにも正しい分け方というものはありません。あるのは、ふたりの状況にとって公平な分け方です。
均等割り(50/50)
すべてをそれぞれ半分ずつ払う方法です。ふたりの収入が同じくらいで、個人の支出の差も小さい場合にうまくいきます。
リスクは、一方の収入がかなり多い場合、50/50だと収入の少ない人の負担割合がずっと大きくなることです。手取り25万円の人が固定費に15万円払うと、ほかのすべてに使えるのは10万円です。手取り45万円の人が同じ額を払うと、30万円が残ります。どちらも口にしなくても、時間がたつとこの差は緊張を生みます。
収入に応じた分担
それぞれが自分の収入の同じ割合を出す方法です。金額が違っても、負担の割合はふたりとも同じになります。
しくみ:ふたりの収入を合計します。それぞれの収入が合計の何%にあたるかを計算します。その割合を共通の支出の合計に当てはめます。
例:彼女の手取りは24万円(合計60万円の40%)、彼は36万円(60%)。共通の支出が月30万円なら、彼女が12万円、彼が18万円を払います。ふたりとも収入の同じ割合を生活費に充てていることになります。
収入に差があるほとんどのカップルにとって、これがいちばん公平なスタート地点です。
項目ごとの分担
ひとりがある請求を払い、もうひとりが別の請求を払う方法です。家賃と管理費はひとりが、食料品、電気代、ネット代はもうひとりが、といった具合です。金額のバランスは保つ必要がありますが、それぞれが自分の担当分を自由に管理できます。
金額が本当に釣り合っていて、定期的に取り決めを見直す場合にうまくいきます。項目ごとの合計は時間とともに変わるからです。
共同口座+個人の口座
ふたりとも個人の口座を持ったまま、生活費用の共通の口座や積立を作る方法です。それぞれが決めた金額を毎月移し、そこから請求を払います。
個人の口座に残ったお金はその人のもので、買い物のたびに説明する必要はありません。
ふたりでの責任と個人の自立を両立でき、今どきの多くのカップルにうまく合います。
誰も入れ忘れる出費
カップルの予算がうまくいかなくなるのは、たいていここです。計画には出てこないのに、毎月明細には表れる見えない費用です。
プレゼントやお祝い:クリスマス、誕生日、母の日、父の日、お中元やお歳暮。親戚が多いと大きな金額になることもあるので、予算に入れておきましょう。
家のメンテナンス:水漏れ、壊れた蛇口、はがれた壁紙。賃貸に住んでいる人は、自分で負担する小さな修理を軽く見がちです。持ち家なら、なおさらです。
値上がりと物価上昇:家賃は契約更新のときに上がることがあり、地域や契約によっては更新料もかかります。食料品は値上がりします。保険料が上がることもあります。こうしたことを想定していない予算は、誰も理由がわからないまま少しずつ苦しくなっていきます。
ペット:動物病院、フード、トリミング、ペット保険。中型のペットなら、都市部では毎月の費用が1万円を超えることもあります。
忘れているサブスク:誰も見ていない動画配信サービス、自動で課金されたアプリ、何か月も行っていないジム。半年ごとにこうした請求を見直す価値があります。
緊急資金:ふたりを守る取り決め
想定外に備えるクッションがなければ、予算は完成しません。車が故障する、急いで病院に行く必要がある、突然仕事がなくなる。
固定費の3〜6か月分を、すぐに引き出せる口座に置いておくのがおすすめです。毎月の支出が30万円のカップルなら、90万〜180万円です。
この資金をふたりで貯めることは、カップルとして意味のある最初の共通のお金の目標のひとつです。実際の安心感だけでなく、共通の目標に向けて貯めることで、ふたりでお金を管理する習慣が身につき、それは緊急資金そのものを超えて役立ちます。
必要な話し合い
スプレッドシートやアプリより前に、もっと根本的な話し合いがあります。それぞれがいくら稼いでいるか、個人でいくら借金があるか、ふたりのお金の暮らしに何を期待しているかを、テーブルに出すことです。
堅苦しくする必要はありません。家での夕食のときに、1週間かけて少しずつでもかまいません。ただ、話し合うことは必要です。
話し合いの手がかりになる質問を挙げておきます。
それぞれいくら稼いでいますか?ボーナスや副業などの変動する収入も含めて考えましょう。それぞれ、どんな個人の借金を持ち込んでいますか?お金をどう扱うのが好きですか?すべてを記録する、月の中でざっくりまとめて精算する、目的ごとに専用の口座を使う、などです。中期的なお金の目標は何ですか?家を買う、旅行する、子どもを持つ、老後のために貯める?
こうした答えがテーブルに出ると、予算は請求の山ではなく、計画になります。計画は、口に出さないルールよりずっとうまくいきやすいのです。
半年ごとに予算を見直す
カップルの予算は完成した書類ではありません。暮らしが変わったら更新が必要な目安です。そして、カップルの暮らしはいつも変わり続けます。
昇進、失業、妊娠、引っ越し、新しいペット、新しい車。どの変化も予算に影響し、分担のしかたをどう変えるか話し合うきっかけになります。
半年に一度ふたりで座って、数字や変わったこと、調整が必要なことを確認するのは、カップルのお金を長く健全に保つための、いちばんシンプルで効果的な習慣のひとつです。
支出の記録を「仕事」にしないために
各項目にいくらかかっているかを知るのが第一歩です。第二歩は、どちらかの記憶に頼らずに、毎月実際に起きていることを記録することです。
TakeControl のようなアプリなら、共通の支出が発生したその場で、どちらでも記録できます。誰が払ったか、金額、どう分けるか。誰が誰にいくら払えばいいかを、ふたりともリアルタイムで確認できます。月末の精算は、何回か送金するだけで済みます。
グループトークに貼ったレシートの写真も、誰も更新しないスプレッドシートも、「先週スーパーでいくら使ったか覚えてる?」という気まずい質問もいりません。お金はふたりで、同時に、同じ情報をもとに管理されます。
おわりに:お金をふたりの関係の中心にしなくていい
ふたりでお金を整理しているカップルがお金のことでケンカをしにくいのは、お金がたくさんあるからではありません。はっきりしているから、ケンカが少ないのです。
ふたりの暮らしに実際いくらかかっているのか。何が一方のもので、何がもう一方のもので、何がふたりのものなのか。今月の請求を払うこと以上に、ふたりで何を作っているのか。それがはっきりしているのです。
それがはっきりしていれば、送金の遅れはただの遅れです。電気代が高かったのは理解すべきデータで、言い争う理由ではありません。そしてお金は、本来あるべき姿に戻ります。ふたりで作りたい暮らしのための道具です。
出典と確認
- Serasa — Average cost of living in Brazil — Serasa (参照日 )
- カップルの公平な分担(計算ツール) — TakeControl (参照日 )
よくある質問
どの街や状況にも当てはまる平均はありません。ブラジルの Serasa による2026年の調査では、1人あたりの平均生活費は月 BRL 3,520(ブラジルレアル)でしたが、これは日本の目安にはなりません。カップルの場合、多くの支出を分担できるため1人あたりの負担は下がりますが、新しい出費も生まれます。見積もりではなく、ふたりの実際の明細をもとに計算するのがいちばんです。
よく使われる目安は、家賃と管理費をふたりの合計収入の30%前後に抑えることですが、誰にでも当てはまるルールではありません。世帯の手取りが50万円なら、住居費の上限の目安は15万円になります。
収入に応じた分担がいちばん公平なことが多いでしょう。それぞれが自分の収入の同じ割合を共通の支出に出すので、金額が違っても負担感のバランスが取れます。
半年ごと、または昇進、失業、妊娠、引っ越し、ペットを迎える、車の買い替えなど、大きな変化があったときです。カップルの予算は固定された書類ではなく、変わり続ける目安です。
共通の固定費の3〜6か月分です。毎月の支出が30万円のカップルなら、すぐに引き出せる口座に90万〜180万円を置いておくことになります。